ラインの呼称と認知 - エメリン分割用

上記の記事容量が大きくなり過ぎてしまい、一部の環境において読み込みの不具合を確認しました。

記事容量を軽くする為、エメリンのグループに含まれるラインについては、本記事に分割して解説を行います。

尚、最終更新日及び更新ログは親記事である「ラインの呼称と認知」に準じます。


クラウンG/Clown G(The Clown Project)

SaSobek Reptilesより出典 - 2014年の個体

作出者:SaSobek Reptiles - Matt Baronak氏 / 2012年

エメリンのグループに含まれるラインです。

多くの個体がポッシブルヘテロトレンパーアルビノ、エクリプスである事が判明しています。

クラウンGは基本的にはGプロジェクトにエレクトリック系のタンジェリンを交配したラインであり、Jungle Giant, Red Stripe, Emerine, Albey Tangerine, Nevies Tangerine, A&M Tangerine, Electric Tangerine, Bold Bandit等で構成されます。

Gプロジェクトが関連する事もあり表現にまとまりはなく、同一のラインから多様な表現の個体が得られる事が特徴の一つです。

既に本家は廃業し純粋な血統は殆ど失われており、本物の入手経路は限られます。

Source1:Clown G(The Clown Project)について


グリーンタンジェリン/G&T(Green & Tangerine)

Ultimate Geckosより出典 - 2011年の個体

作出者:Ultimate Geckos - Mateusz Hajdas氏 / 不明

エメリンのグループに含まれるラインです。

現在ではアフガンタンジェリンとの並行ラインである事が判明しており、その為に中間的な表現の個体が存在します。

Ultimate Geckosより出典 - 2011年のG&T Tremper het Raptorの個体

本家Ultimate Geckosによりエクリプス、トレンパーアルビノ、ベルアルビノ、マックスノー、レインウォーターアルビノ、W&Yが組み込まれた個体を確認する事が出来ます。

その事から、意図せず上記のベースモルフを含んでいる可能性を留意する必要があります。

Source1:G&Tについて


サイクスエメリン/Sykes Emerine

Geckos Etc. Herpetocultureより出典 - 2012年のGiant Sykes Emerineの個体

作出者:Geckos Etc. Herpetoculture - Steve Sykes氏 / 不明

エメリンのグループに含まれるラインです。

多くの個体がポッシブルヘテロエクリプス、トレンパーアルビノである事が販売ページにて説明されています。

本家Geckos Etc. Herpetocultureによりエクリプス、エニグマ、トレンパーアルビノ、W&Y、スーパージャイアントが組み込まれた個体を確認する事が出来ます。 

その事から、意図せず上記のベースモルフやラインを含んでいる可能性を留意する必要があります。

Geckos Etc. Herpetocultureより出典 - 2011年のJungle Sykes Emerineの個体

又、表現の方向性についての解説はなく、最初期の販売個体を見る限りでも表現幅は広いです。

参考として、冒頭の写真が"Giant Sykes Emerine"の表記で$600で販売された個体で、上の写真が"Jungle Sykes Emerine"の表記で$300で販売された個体です。

「○○という特徴を持つからサイクスエメリン」と明言出来るような特徴差は無く、Steve Sykes氏によるエメリンが"サイクスエメリン"の名前で流通している程度の認識で問題ありません。

数あるエメリンのラインの中で、国内では最も多く流通しています。

Source1:Sykes Emerineのヘテロ状況について


G プロジェクト/G Project

SaSobek Reptilesより出典 - 2012年の個体

作出者:SaSobek Reptiles - Matt Baronak氏 / 2006年

エメリンのグループに含まれるラインです。

多くの個体がポッシブルヘテロトレンパーアルビノ、エクリプスである事が判明しています。

現在、本ラインについては誤った認知が広がっており注意が必要です。

書籍などで「Green プロジェクト」と解説される場合がありますが、これは誤りです。

Sasobek Reptilesの解説において

「多くの人は”G”をGreenの略と考えますが、そうではありません。Gの意味は秘密です。」

という文章が掲載されています。

暫くした後、清涼飲料水のゲータレード(Gatorade)の写真と共にG プロジェクトの写真がFB上に投稿された事から、本来は「Gatorade プロジェクト」であると推察されます。

G プロジェクトはJungle Giant, Red Stripe, Eclipse, Raptor, Emerine等で構成されます。

初期構想はより強い緑色を発色した個体の作出が目的であったようですが、その後の個体を見る限りでは一定の方向に選別交配がなされたラインではない事が伺えます。

SaSobek Reptilesより出典  - 2012年のRaining Gの個体

実際にSasobek Reptilesは「G プロジェクトに対して求めるものは常に変わり続けている」と解説し、G projectの中には異なる6つのラインが存在した事が記されています。

FBに投稿された上の写真は"Raining G"という表記で紹介され、2012年のNARBC(North American Reptile Breeders Conference)で販売が行われました。

現存は確認出来ませんでしたが、レインウォーター版のG プロジェクトも存在していたようです。

又、「G プロジェクトは多くのラインのるつぼであり、Sasobek Reptilesによるレオパードゲッコーである事を示す為の総称である。」と解説されている事からも、"特定の表現をしたライン"と捉えるよりは"Sasobek Reptilesのレオパ"程度に捉える方が自然なのかも知れません。

既に本家は廃業し純粋な血統は殆ど失われており、本物の入手経路は限られます。

Source1:G Projectについて 


スキットルズ/Skittles

Garrick DeMeyer氏より出典 - 2013年の個体

作出者:Captive Bred Specialties - Garrick DeMeyer氏 / 2013年

エメリンのグループに含まれるラインです。

多くの個体がポッシブルヘテロトレンパーアルビノである事が判明しています。

ジャングル模様のタンジェリンであり、緑やラベンダーの発色をする個体が出現する事が特徴であると解説されます。

管理人の飼育個体 - 2018年に輸入された個体

エメリンのグループ内に存在する他のラインと同じく、同一ライン内での表現の振れ幅は大きい傾向にあります。

「○○という特徴を持つからスキットルズ」と明言出来るような特徴差は無く、Garrick DeMeyer氏によるエメリンが"スキットルズ"の名前で流通している程度の認識で問題ありません。
以下、Garrick DeMeyer氏による解説
"Skittles is the name of a new line-bred morph of leopard gecko I've created. They are tangerine jungle-type geckos, but they have hints of green, lavender, and other colors. They are very unique geckos that I feel have the potential to look better and brighter with each generation. Breed this male to any high color bold jungle, stripe or reverse stripe among other morphs!"

パシフィックグリーン/Pacific Green

Pacific Geckoより出典 - 2015年の個体

作出者:Pacific Gecko - Kyle Golinveaux氏 / 不明

エメリンのグループに含まれるラインです。

エメリンの多くがストライプ模様やジャングル模様の個体が多い中、Pacific Greenについては本家Pacific Geckoにより公開される個体の殆どがバンド模様である事が特徴的です。

この表現についての解説は行われていない為、意図した方向性なのかは不明です。

Pacific Geckoより出典 - 2015年の個体

余談ではありますが、上の個体のようにバンド状に色が飛び、その部分にピグメントが出現する表現が近年注目を集めつつあります。

この表現はGeckoboaによるパープルヘッドタンジェリンの特徴として有名ですが、由来はパシフィックグリーンである可能性が示唆されています。

尚、この表現はパシフィックグリーンを発祥とする固有の特徴ではなく、レオパードゲッコー全体の中で元来存在した表現です。

既に本家は廃業し純粋な血統は殆ど失われており、本物の入手経路は限られます。

Source1:Pacific Greenの紹介

Source2:色抜けする特徴が遺伝した様子

以上、エメリンについて